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982101
306

電解による水溶液の識別84

阿内大冠 茨城県立土浦第一高等学校

水溶液を電気分解すると、気体発生や物質の析出が見られる。発生した物質を、主体的に観察・検査させることにより、水溶液が何であるか識別させる。実験を通じて、いろいろな水溶液の各電極での反応が理解できると共に、生徒の問題解決能力を高めることができる。また、個人実験にすることにより、実験への集中力を高めることができる。
982102
1004

ディーゼルと排気ガスを教材とした学習について

古河義之 石川県立平和町養護学校 
環境問題が盛んに取り上げられ、環境教育の必要性が指摘され始めている。大気汚染に関連して、一般にディーゼルは汚いといわれていることに疑問を持ち、調査した。その結果は、生徒とNOxの学習をする上で有意義であった。身近な内燃機関であるディーゼルと軽油を@状態変化 A環境問題 B有機化学の教材として使用できるのではないかと考察した。

 

982103

 

802

PROOF化学の試み

井野口弘治 大阪教育大学教育学部付属高等学校天王寺校舎 
「見る」「処理する」「表現する」「発表する」ことを重点に置いた理科の科目PROOF科を平成7年度から試みている。受け身型の授業でなく、生徒参加型の授業である。どのように組織し、どのように実施しているかを化学の分野を中心に報告する。測定することにおいて何が大事かを身体活動を適して学ばせ、評価は各時間の自己評価と、発表会における他己評価、教師による講評で行っている。

982104

202

気体の状態方程式

岡野道也 茨城県立古河第一高等学校 
気体の個々の性質・法則を知る実験は数多く工夫され紹介されているが、細分化されすぎており気体の実態が見えにくいところがある。そこでペットボトルを利用した測定器を自作、使用することで気体の体積、質量(または分子量)、密度、圧力等を測定できるだけでなく実感できるようにした。

982105

306

調味料電池

浅野雅裕 茨城県立佐竹高等学校 
化学に興味関心を持ってもらい、理料離れをどうにかしようと言う発想から、酸化還元反応の電池の単元のところで、その実験において、野菜電池や果物電池、備長炭電池、リサイクル電池、そして、最近読んだ本には金物電池(台所の食器等を用いたもの)など、実にユニークな電池が紹介されている。それらの電極部分は、金属のイオン化列の組み合わせ、電解液においては身近な材料の工夫がなされている。そこには、生徒が実験を行う際に、驚きや新たな発見を見いだせるために、実験・教材開発等に考慮されている。今回紹介する調味料電池も前述のような身近なものを材料とし、電極や電解液(調味料)を選び電池を作成した。
982106
1301

化学U課題研究への取り組み

溝口克彦 東京都立武蔵高等学校 
先山厚子 東京都立武蔵高等学校 
谷本忠志 東京都立武蔵高等学校 
化学Uが実施されて以来3年がたとうとしているが、本校においてはその初年度より、化学Uの単元の重要な柱である「課題研究を実施してきた。そこで、一昨年、昨年と課題研究を実施してきての、取り組への準備、指導の着眼点などについて報告したい。
982107
801

じゃんじゃん物質とつきあう化学〜実験を中心とした授業実践報告〜

藤井喜英 埼玉県立大宮武蔵野高等学校 
山口正憲 埼玉県立大宮武蔵野高等学校 
本校では1年次に化学TBを3単位で実施しているが、地学と物理の教員に手伝ってもらっていた関係で、実験もさほど多くなく教科書の半分終わるのが精一杯であった。そこで昨年度より、TBの内容全般について生徒に広く浅く学習させ、少しでも化学に対して興味関心を持ってもらえるように、多くの物質とつきあう中で授業展開をしていくことにした。

982108

604

植物の成分を調べる

中道康浩 福井県立武生高等学校 
身近にある植物を使い単離実験を行った。植物材料から有機溶媒により成分を抽出し、その抽出物をカラムクロマトグラフィーにより分離を行った。また、抽出物および分離した試料に種子発芽テストを行い、種子成長抑制作用について活性を調べた。  天然物を使った単離の実験は時間がかかるが、課題研究としてなら十分に実践することができると考える。
982109
702

化学の新教育課程案について

小川孝三 大阪府立生野高等学校 
教育課程審議会の中間まとめを受けて、大阪府理化教育研究会では、次期教育課程の化学の内容について検討を行った。内容の精選を第一に考えて、案1から案3までの三案を考えた。いずれの案も、物質の状態(気体や溶液)を削除し、無機化学や有機化学などの内容も精選したものである。また、案1は選択分野も大幅に取り入れた内容になっている。
982110
306

太陽電池板を使った電解装置の開発と水素エネルギーシステムの教材化2

飯田 清 茨城県立下妻第一高等学校 
フィルムケース、プラスチック製の注射器を使った簡易電気分解装置を開発した。電源としては、乾電池ばかりでなく、太陽電池板でも電気分解を可能にした。また、太陽電池板とニッケル・水素蓄電池を組合せることにより、水素エネルギーシステムを構築できることを示した。このシステムは水の電気分解や水素燃料電池の反応を応用したもので、環境問題・エネルギー問題を解決するためのモデルとして教材化できることを示す。

 

982111

401

カルシウムとその化合物

掘川 伸 北海道札幌白石高等学校 
カルシウムは単体としてよりも、その化合物である石灰やセッコウとしては、小学校や中学校でもよく扱われている。また「身のまわりの物質」としても、その化合物は、融雪剤や乾燥剤としてよく利用されている物質でもあるが、その単体と化合物の相互の関係や相違については理解されていない。今回は、カルシウムとその化合物について、授業(実験)で展開した一例を報告する。

982201

801

化学IBにおけるプリント授業について-授業を効率的に進める工夫-

根津浩典 新潟県立新潟西高等学校 

4単位の化学IBの授業で、教科書のすべての内容にふれることが時間的にきびしいことを日頃感じている。そこで、4年前からプリントをノート代わりに用いた「プリント授業」を始め、以前に比べ授業を効率均(スピードと内容)にすすめることができた。これに関して、第5章、有機化合物の導入部分の実践例を紹介し、生徒のアンケートなどをもとに「プリント授業」の可能性について考察する。
982202
804

Virtual Reality Modeling Language(VRLM)を用いた結晶表示について

三田村隆 福井県立武生高等学校 
近年、インターネット上で普及しつつあるVirtl Reality Modeling Language(VRLM〉をもちいて、NaCl型のイオン結晶と金属結晶の表示を試みてみた。パソコン上で3次元的に物体を表示したり動かしたりするには、高価なソフトが必要と思われたが、Windows95に付いているメモ帳とプラグインソフトにより、以外と簡単に表示できたので、その方法を紹介する。
982203
305

酸化還元反応の指導方法

住友利充 愛知県立一宮興道高等学校 

教科書の酸化還元反応の記述は、相当に理解しにくい。また有機化学につながらない。主な改良点はつぎのとおり。(1)酸素水素の授受による酸化還元を重視し、また電子の授受による酸化還元への脈絡をつけた。(2)電子の授受による酸化還元の定義を、具体的なものにし、有機化学の学習につながるものとした。(3)強い酸化剤は電子をもらったり、相手に酸素を与えたり、相手から水素を除く性質を、すべて合わせ持つことがわかるようにした。
982204
1202

簡単な臨海ミセル化濃度の測定法

山本久樹 三重県立四日市工業高等学校 
生活科学(化学)の関連教材として簡単な臨界ミセル化濃度(CMC〉の測定法を考案した。シャボン玉の消滅するまでの持続時間をT,A・γ。=K,C/a≒Cと簡略化し、テイラー級数展開をしてT=k(γ0−γ)=K(C+1)+K/2.測定値の差を取り、洗剤の濃度とシャボン玉の持続時間との関係を求めた。同じ洗剤の近紫外(250−285nm)領域における透過率の低下が約0.2gから見られることも上記の近似式を支持していると考えられる。
982205
1100

コンピューターネットワークを利用した教材研究の効率化

天谷光孝 福井県立福井農林高等学校 
理科の教員数が少ない学校では、予備実験などがうまくいかない場合、周囲のアドバイスを受けにくい状況にある。そこで、インターネットのホームページを利用して、うまくいかない実験について助言を求めたり、疑問を感じる教材についての質問を掲載することで、教材研究をより効率的に行うことを考えた。今後さらに内容を充実させ、時間にも地理的条件にも制約を受けずに、様々な情報を集めることができるようにしたいと考えている。
982206
500

布を変えて行う藍のたたき染め

神崎夏子 神奈川県立川崎南高等学校 
布を変えて藍のたたき染めを行い、ナイロン布のみに明確な赤紫色が現れること、絹は木綿より染色しやすいことを見いだした。布の色素の抽出溶液の可視吸収スペクトル、TLC板での分離実験からナイロン上にはインジゴの異性体インジルビンがあること、絹はナイロン、木綿より、葉の葉緑素やカロテノイドを吸着しやすいことを確認したので、生徒に、染色、色素の抽出、分離実験を課題研究として試みた。
982207
404

両性元素の反応

織田樹郎 富山県立二上工業高等学校 
化学の授業において、「両性元素は酸にも強塩基にも溶ける」という教科書の事柄をとにかく説明して暗記してしまっている現状である。しかし、実際に溶かそうとすると上手く行かないものがある。そこで、両性元素といわれている4種類の金属の単体・酸化物・水酸化物について、色々な酸や塩基とどの程度反応するのか、上手く溶かす方法はあるのかを調べてみた。

982208

701

化学標準テスト問題について

田中芳和 大阪府立加納高等学校 
大阪府高等学校理化教育研究会では、昭和24年より毎年「化学標準テスト」を実施しているが、標準テストを実施することにより生徒のつまずきの箇所が発見でき、事後の指導に役立てることができている。最近のテスト結果から、粒子概念の不足と物質量に関する計算、化学の基礎法則などに誤答が多く、実験や分子模型を用いた実習の必要性が感じられた。
982209
802

世界共通教材"Chemistry in our lives"の評価

柄山正樹 東京女学館中高等学校 
丹伊田敏 東京学芸大学付属高等学校 
渡部智博 立教高等学校 
山内辰治 立教高等学校 
1994年より、日本におけるアジア太平洋地域における環境科学教材(Science Across Asia Pacific:SAAP)を利用した学校での教育活動は始まった。1997年、アフリカ、アメリカ・ラテンアメリカの参加により、今や世界中でそれぞれの地域の特徴と言語を網羅した教材(Science Across the World:SAW)となってきた。現在は、新しいテーマである「生活の中の化学"Chemistry in our lives"」を制作中であり、この内容の試行と評価を行った。
982210
804

パソコンを利用した化学の授業

堂庭雅夫 福井県立勝山高等学校 
パソコンの動画機能を活用したソフトを作成し、実験の説明に用いた。生徒は、これまでより実験操作をスムーズに行うことができた。また、課題研究における実験データの処理にパソコンを利用した。反応速度と温度の関係のグラフ化などに有効であった。
982301
900

発光から知る物質・電子のエネルギーテーマ別実験講座'98

鈴木正明 神奈川県立豊田高等学校 
「発光」をテーマに、燃焼による炎、ウミホタルの生物発光、炎色反応、ネオンサイン、オーロラを題材に実験、演示、ビデオ学習を行い、それらを統一的に「物質・電子のエネルギー」の視点で解説するための教材を開発した。

 

982302

705

タイ王国理科実験交流会報告

宮本憲武 大阪教育大学教育学部付属高等学校平野校舎  掘川理介 大坂教育大学教育学部付属高等学校平野校舎 
1997年8月、大阪府下の理科教員13名で、タイ国の小・中・高等学校を訪問し、1時間半程度の公開授業という形で、理科の実験交流会を行った。タイではあまり実験が行われていないそうで、生徒のまなざしは熱意にあふれており、実験の大切さを再認識した。また、理科の学習に関してアンケートを実施した。行った実験の内容、生徒の様子、タイの教育の実情、アンケート結果、この研修旅行で学んだことなどを報告する。
982303
900

簡易ガスビュレノトの作製とその利用−リアルタイム記入可能箱型ガスビュレット

宮本正彦 光塩女子学院中高等科 

従来は気体の体積の経時変化を測定する方法として水の入った水槽にメスシリンダーを倒立させ、そこにガス誘導ゴム管を挿入して使用していたが、初期の経時変化が測定し難かった。それをゴム管を接合したアクリル板製ガスビュレットを用いることで改善し、更に、ガスビュレットに水槽からせりだした記録記入台を取り付けることによって、気体の体積変化を正確にリアルタイム記録することが出来る教具を開発した。
982304
400

電子レンジで赤熱するセラミックスとその応用

土屋範芳 長野県小諸高等学校 
電子レンジを使用し、簡単に火の玉を作成(岩手高校 佐々木修一先生)したりいろいろな実験が最近取り上げられている。そこで、電子レンジ(マイクロ波)を利用し発熱するセラミックスを作成し(バーナーなしで高温を作り出す)その応用実験を試みたので結果の概要を報告する。
982305
801

仲間と共に「生きるちから」を育む授業を(V)〜あすなろ方式授業法・授業実践報告@「§あすなろ方式の化学入門」

竹野徹美 大宮市立大宮北高等学校 
生徒が参加し共に創り上げる授業の中で「科学する心」を育てるためには次の両面からのアプローチが必要である。一方は生徒が自主的な授業参加を自然に行える授業環境整備であり、もう一方が化学の学習に対する明確な動機づけである。学ぶ内容が人生の中で明らかに有益であると生徒が認識することが学習意欲を喚起する第一歩である。本報ではあすなろ方式オープン、ヒドゥンの両カリキュラムの実現をめざした、年度当初の授業実践を報告する。
982306
1301

結晶密度の測定方法

近藤俊彰 愛媛県立新居浜西高等学校 
結晶の密度は、ワードン型比重瓶を用いる方法や浮遊法等で求められるが、結晶溶解時の溶液体積変化量と溶液の密度からも求められる。溶液の体積変化量は二また試験管を用いた簡易な装置で測定し、また溶液の密度はゲーリュサック型比重瓶を用いて測定して、食塩と砂糖の密度を求めた。化学Uの課題研究のテーマとして生徒実験を行い、結晶格子から求めた密度との比較検討をして、密度についての生徒の理解を深めさせた。
982307
500

キチンキトサンを用いた教材化の検討

武田正彦 愛媛県立丹原高等学校 
エビ殻を処理することによりキチンを得た。さらに脱アセチル化をほどこしキトサンを得、赤外吸収スペクトルにより、同定および脱アセチル化の度合いを考察した。  また、環境問題を考える実験として、キトサンカプセルを作成し銅(U)イオンの捕集実験・キトサン溶液によるタンパク質凝集実験を行い、その有用性を確かめた。
982308
500

キトサンによる重金属イオンの吸着

西出雅成 北海道札幌東陵高等学校  
一般に生活ゴミとして捨てられるカニ殻、イカ角質殻などの有効利用を重金属イオンの吸着という視点から教材化したものである。また、環境の世紀と言われる21世紀の未来を担う子どもたちに、身近に存在する天然物の素晴らしさ、大切さを再認識させることをねらいとする。
982309
801

高分子物質の機能性に着目した授業プランの研究

西出雅成 北海道札幌東陵高等学校 
これまでの高分子の内容は、多様な高分子材料を単に羅列的に紹介している傾向が強いと批判されてきた。これらの問題を解決するために、高分子を物質の階層性に照らし合わせて明確に定義すること。さらに、近年着目されてきた高分子のもつ多様な機能性が、その立体構造から導かれていることを理解させること。これらを取り入れた授業プランの作成をめざす研究について紹介する。
982310
303

交流電灯を用いた電離度・電離定数の測定

藤岡和男 東京都立蒲田高等学校 
弱酸と強酸の溶液に電極を入れ、その回路中の電灯の明るさを比較することから、電離度を推定することができる。これを発展させ、同じ条件で同じ電流値を示す塩酸濃度と弱酸濃度とを求め、その濃度比の値から電離度を求められると仮定し、実験を行った。幅広い弱酸の濃度で電離度を求め、さらに計算から電離定数を算出した。その結果はデータブックの値とのかなり一致した。弱酸の電離度を簡便に求める半定量実験として利用できる。
982311
601

「黒い炎」によるナトリウムの検出

福岡辰彦 石川県立金沢錦丘高等学校 
原子吸光を簡単に演示する実験として、「黒い炎」の実験がある。これは、(ナトリウムの炎色反応の炎に、ナトリウムランプをあてると、その炎が黒く見える) という実験である。これは逆に考えると、(あるものの炎にナトリウムランプをあてて、炎が黒く見えれば、その炎はナトリウム炎であり、そのものはナトリウムを含んでいる)ということになり、「ナトリウムの検出方法」として「黒い炎」が使えることがわかった。
982401
500

授業をふくらませる憤示実験 その1 ポリアニリン染色布つくり

土屋 徹 東京都立大森東高等学校 
導電性高分子化合物ポリアニリンは、黒色染料として知られているアニリンブラックと類似の構造をもつ物質である。黒色のアニリンブラックをつくるとき、アニリンの酸化が不充分であると緑色となるが、これがポリアニリンである。アニリンを染み込ませた木綿布を酸化する酸化剤によって、ポリアニリンとアニリンブラックに染め分け、興味ある性質を持った布をつくることができる。
982402
900

授業をふくらませる演示実験 その2 −黒板化学実験の工夫−

吉田 工 東京都立田園調布高等学校 
妻木貴雄 筑波大学附属高等学校 
吉本千秋 東京都立豊多摩高等学校 
郡司幹夫 東京都立篠崎高等学校 
「黒板化学実験」とは、試験管、ビーカーなどの実験器具を磁石で黒板にはりつけて行うものである。この方法では、現象を観察しながら、同時に黒板に化学式などを書いて説明をすることが可能になり、わかりやすくなる。黒板上で様々な実験を行えるように、固定 器具 攪拌装置 加熱器具 測定装置の工夫をした。その器具を使用したいくつかの実験例を紹介する。
982403
202

授業をふくらませる演示実験 その3−炭酸飲料を用いた二酸化炭素の分子量測定−

山本進一 東京都立戸山高等学校 
サイダーやコーラのPETボトルにポリ袋をつなぎ、秤量後よく振ると、溶けていた二酸化炭素が気体となりポリ袋が膨らむ。このとき、空気中での浮力が増し容器全体の見かけの質量が減少する。次に、容器を開いて二酸化炭素を追い出し体積を元に戻し秤量すると、二酸化炭素の質量が求められる。この操作を演示し、空気の平均分子量を与え、アルキメデスの原理とアボガドロの法則から二酸化炭素の分子量が求められることを示す授業を行った。
982404
304

授業をふくらませる演示実験 その4 目で見る中和反応

庄 一志  東京都立竹早高等学校 
藤岡和男 東京都立蒲田高等学校 
古寺順一 東京都立小金井北高等学校 
酸と塩基を水溶液中でなく直接反応させ、中和反応で水や塩が生成することを演示する方法を検討した。従来よく用いられている実験以外の方法を中心に、教室などで演示できるような形で、[実験T:水酸化ナトリウムと塩化水素]、【実験U:水酸化ナトリウムと氷酢酸〕、[実験V:水酸化ナトリウムと二酸化炭素〕、[実験W:水酸化ナトリウムとオレイン酸〕、[実験X:アンモニアと氷酢酸]の5つの演示実験にまとめた。
982405
304

授業をふくらませる演示実験その5 −酸と塩基の電離を電灯で比較する−

藤岡和男 東京都立蒲田高等学校 
内藤義弘 東京都立四谷商業高等学校 
強酸、弱酸の電離度の速いを示す演示実験として、溶液中に電極を入れ回路中の電球の明るさで比較する方法がある。これを、さらに工夫改良し、数台の電灯装置を並べて同時に比較できるようにした。この装置により、強酸・弱酸の電離の違い、弱酸の濃度と電離度の関係、強塩基と弱塩基の電離の違いなとが、わかりやすく演示できた。また、この装置は溶液の伝導度を比較する演示装置として、幅広い使い方が可能である。
982406
402

黄銅鉱の合成と実験用教材化

金網秀典 国立鶴岡工業高等専門学校 
粟野幸雄 国立鶴岡工業高等専門学校 
黄銅鉱の合成を高等学校化学の実験教材として開発した。硫化銅(U)は銅(U)イオンと硫化物イオンとの反応で生成する硫化銅(U)は黒色であり、高校教科書にもそのように掲載されている。しかし銅粉と硫黄との反応で生成する硫化銅(U)は暗青色であり、黄銅鉱の合成への途中の過程で導入して、体験できるようにした。また、黄銅鉱を平面に作る方法を開発した。

982407

504

α−ナフトールフタレインの合成とその応用

守本昭彦 東京都立八王子東高等学校 

フタレイン系指示薬である α−ナフトールフタレインの簡易合成法について検討を行った。α−ナフトールフタレインは1−ナフトールを無水フクル酸および濃硫酸と加熱して合成した。加熱温度の上限を100℃とすることで、α一ナフトールフタレインを確実に合成することができた。合成したα−ナフトールフタレインを酸塩基指示薬として利用するため、広域緩衝液を用いて変色域を調べ、酸塩基滴定に利用した。
982408
801

S.T.S(サイエンス、テクノロジー、ソサイエテイ)教育の試み アニメビデオ「風の谷のナウシカ」 より環境教育を実施

早川新司 愛知県立平和高等学校 
STS教育とは、サイエンス・テクノロジー・ソサイエティ教育のことであり、科学技術と社会の関わり合いを考える教育のことである。今回利用したアニメ映画「風の谷のナウシカ」は、地球の未来について考えさせられる内容であり、このビデオを生徒に鑑賞させ、科学技術と自然環境について考えさせる場を与え成果を上げたので、その実践報告をする。
982409
500

界面活性剤の電荷に起因する性質の実験

荒井 繁 東京都立葛飾野高等学校 

カチオン界面活性剤はガラスに付着しガラスを濡れづらくする、またろ紙の繊維に吸着される、さらにエオシンやブロムフェノールブルーと反応し色調を変える。水酸化鉄(V)のコロイドはアニオン界面活性剤では凝析するが、カチオン界面活性剤や非イオン性界面活性剤では凝析しない。両性界面活性剤の酸性溶液はエオシンの色調を変化させるが、塩基性溶液は変化させない。非イオン性界面活性剤は加熱により濁り、冷却により濁りが消える。
982410
402

過酸化水素が混在する鉄(V)イオンの反応

下田善夫 東京都立日比谷高等学校 
茨木淳雄 東京都立板橋高等学校 
スチールウールなどの鉄を希硫酸に溶かし鉄(U)イオンの試料溶液を作り、これをさらに過酸化水素水で酸化して鉄(V)イオンの試料溶液とすることは、教育的に価値がある。しかし、こうしてつくった鉄(V)イオンの溶液にヘキサシアノ鉄(V)酸カリウム溶液を加えると、液の色は、大概、期待した「褐色」とはならず、「緑色〜青色」になってしまう。その原因と対策を探る。
982411
905

結晶・分子の構造説明のために

萩谷 薫 茨城県立水戸第一高等学校 
結晶中の原子配列や単糖類・二糖類の分子構造について、分子模型を用いて口頭や黒板で説明しても生徒達になかなか理解してもらえない。これは立体構造を黒板上で説明するだけでは理解させるのが難しいと考え、生徒達が粒子の並び方を自分で確かめられ、何回触れても壊れない単位格子やその模型を製作した。また、生徒全員に糖類の簡易分子模型を製作させて授業に利用した。さらに、光学異性体の官能基の位置を比べる分子模型も作った。