平成19年度 日本理化学協会賞研究論文

  < 物 理 >  東京学芸大学附属高等学校  川角 博 先生

【研究主題】 生徒実験を分析しながらすすめる物理の学習

[選定理由]  物理の研究テーマの多くは実験教材の開発が多く、生徒活動の視点に立つ内容は僅かである。生徒にとって、理解しやすい実験方法を開発することも大切ではあるが、教科書等で取り扱っている実験方法でも、その扱い方によって、生徒に効果的な学習をさせることができる。この研究では、生徒実験後の考察の際に、一つの捕らえ方を示すことにより、実験を通してのデータ処理や考察の方法を学習させ、次の実験に、更に発展的に取り組めるようになっている。  本研究は、生徒の実際の取り組みが示されており、各学校での取り組み方法を工夫する際に、参考となる内容であり、日本理化学協会賞にふさわしいものである。     

  研究論文・物理 (PDF/318KB) 

  < 化 学 >  茨城県立水戸第一高等学校  根田 修 先生

【研究主題】 ルーエマン紫を用いた金属イオンの識別

          ―反応魚拓紙(ギョタックル)利用簡易識別法―

[選定理由]  有機化学の学習で、ニンヒドリン反応によってアミノ酸の検出を行なうことを学ぶが、本研究では、その反応で生じたルーエマン紫に着目し、廃液として処理するのではなく、これとさまざまな金属イオンとの錯体を形成させている。その際の色の相違に着目し、金属イオンの水溶液の識別に活用することを検討した。また、反応魚拓紙(ギョタックル)を用いて短時間でできる金属イオンの識別方法についても検討し、その簡便化を図っている。  さまざまな金属イオンと反応させた後の色の違いは、生徒の課題研究などに応用できる点でも評価でき、日本理化学協会賞にふさわしい研究である。

  研究論文・化学 (PDF/513KB)